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クリストフォロス、あるいは「あるオペラの幻影」

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この度弊劇団では、CHRISTOPHORUS oder „Die Vision einer Oper" クリストフォロス、あるいは「あるオペラの幻影」の公演スタッフを担当しております。





クリストフォロス、あるいは「あるオペラの幻影」


日本初演(ドイツ語上演・字幕付き)

台本・作曲 : フランツ・シュレーカー


Franz Schreker

Chistophorus oder »Die Vision einer Oper«

japanische Erstaufführung


作品の概要


クリストフォロス伝説

大男レプロブスは、強きものに仕えることを望み皇帝のもとに居たが、皇帝が悪魔を恐れたことから、悪魔に従って悪行を重ねた。しかし隠者から奉仕することを諭されて、川を渡る人々を助けていた折、一人の少年を背負ったところ、川の中で際限なく重みが増してゆく。少年は自らがイエス・キリストであり、全世界の罪を背負っているため重いのだと明かし、レプロブスを祝福して、今後はキリストを背負ったものという意味の、クリストフォロスと名乗るよう命じた。


表題のとおり、このオペラはキリスト教の聖人伝説を念頭に置いている。しかし伝説自体は、オペラの筋書には組み込まれていない。聖人クリストフォロスを「同名の祖先」と呼び、強きものを希求する登場人物、クリストフの人物像にシュレーカーは伝説を象徴させた。その対極をなす弱きものには、作曲学生のライバルであるアンゼルムをあて、強きものは凡庸、弱きものは才能豊かな人物と設定した。


あらすじ

 プロローグの舞台は作曲教師ヨハンの音楽室。伝統的価値観を持つヨハンは学生たちに,聖クリストフォロス伝説を題材にした弦楽四重奏曲を書くという課題を与える。しかしシュレーカーの思想を代弁する気鋭の新進作曲家アンゼルムは,伝統的で純粋な音楽形式としての弦楽四重奏を拒み,同じ素材に拠るオペラを企てる。それは彼自身がオペラを書いているという筋立てである。この劇中劇にはアンゼルムとは対照的な,因習に捉われた作曲技法に甘んじる,凡庸な才能の同僚学生クリストフが登場する。


 師ヨハンの娘でファムファタル的な性質をもつリーザは,作曲を断念して妻子への愛情に生きると宣言したクリストフと結婚するが,アンゼルムとの恋心も鎮めることができず,第1幕2場でクリストフに射殺される。アンゼルムはクリストフの逃走を幇助し,二人はキャバレーに身を沈める。この第2幕でクリストフは,霊媒の口寄せでリーザの声を聴くうちに覚醒して,劇中劇の構想を超越し,象徴的な死という救済に邁進する。


 長い間奏曲に続いてヨハンの音楽室に戻ったエピローグでは「男の力を知りつつ女の弱さに留まる者」たるべしと諭す老子の『道徳教』の一節が響く。劇中劇が破綻してプロローグにおける作曲学生に戻ったアンゼルムは,オペラを諦め,やはり弦楽四重奏を作ると師のヨハンに伝えて,作品は幕を閉じる。


参考文献

田辺とおる「二作目の自伝的オペラ《クリストフォロス,あるいは「あるオペラの幻影」》,「芸術の黄昏」の時代におけるシュレーカーの試み」,Der Keim, Nr.46, 東京外国語大学大学院ドイツ語学文学研究会,2022年,5-38頁。


会場

清瀬けやきホール

ホールの詳細情報はこちら


日程

2024年 6月 22日(土)・23日(日)

両日とも14時開演


上演予定時間

約 2時間 30分(休憩含む)


チケット

全席 自由 8,000円



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